多摩マンション管理組合連絡会(略称:多摩管連)よりご挨拶申し上げます。

 多摩ニュータウンと周辺地域には400以上の管理組合が存在し、その規模は全国一ではないかと言われております。

 多摩管連は、地域の団地、マンションの管理組合と有志とが、お互いの経験や情報を交換しあい、また協力しながら、管理組合運営をより良いものにしていこうと、平成20年9月に結成したもので、今年で13年目を迎えました。

 多摩ニュータウンは大阪の千里ニュータウンに次いで開発が始まり、旧日本住宅公団(現:都市機構;UR)や東京都、東京都住宅供給公社(JKK)が多摩丘陵一帯を大規模に造成。昭和46年3月に多摩市諏訪・永山地区から入居を開始しました。平成17年にはURが開発から撤退し、その後は民間中心でマンション建設は現在でも行われています。この間に造られた分譲団地には、すでに築30年前後となったものが沢山あり、大がかりな改修工事が必要な時期になっております。

 しかも多摩ニュータウンの建設は、当初、都心の住宅不足緩和が狙いでしたから、4~5階建の階段室型住棟を多数並べた団地が次々と造られました。昭和50年代後半からは個々の住戸面積を広くし、メゾネットやタウンハウスも併設する様になりましたが、それでも3~5階まで歩いて上り下りする階段室型が依然として主流でした。

 今になってそれが大きな問題になっております。高齢者が増え、エレベーターの無い階段室型では日常生活すら厳しくなっております。といってバリアフリー型への大規模な改造は、建物の構造や費用、合意形成などが難問となって、各管理組合とも、どうしたらいいか? 悩んでおります。さらに給水管、排水管などの配管類も寿命がきていますが、簡単には取替えられない造りなっているため、多大な費用をかけた改修を迫られております。

 また、前述のハード面の問題と併せて、高齢化問題として、役員のなり手不足により管理組合が機能しない問題や、独居問題など、ニュータウン開発当初に見えていなかった問題が顕在化してきております。

 一方、民間マンションの大半は比較的新しい建物で、多くはバリアフリー設計となっております。しかし維持管理からコミュニティーの運営までを管理会社に全面的に委ねているせいか、管理費等の負担が大きかったり、余り必要とは思えない支出が行われる、などの問題が多々起きております。今後は管理組合が主体性を持って、不要な出費を削りながら、修繕積立金を着実に蓄え、建物・設備を長期・適切に維持していくことが大切になってきております。

 また、大型の民間マンションも、ここ数年で第1回目の大規模修繕工事に着手する時期を迎えます。孤立しがちな民間マンションですが、広く横の繋がりを設けて情報交換できる場が、今後重要になってくるものと思います。

 多摩管連ではメンテナンス部会、管理運営問題部会、民間マンション部会などの部会を定期的に開催して、各会員が経験や情報を出しあって、こうした地域の実態に沿った問題や資料、ノウハウを収集し、共有しながら、活用しています。各管理組合で現に起きている様々な問題についても、援けあいながら対応しております。

 このような目的を果たしていくには、地域の多くの管理組合に参加して頂くことが重要です。多摩管連は管理組合として入会する組合会員と、役員経験や専門知識を持っている方や、管理組合運営に関心のある方が参加する個人会員とで構成しておりますが、特に管理組合の参加をお持ちしております。もちろん個人の参加も歓迎しております。

 多摩管連も既に設立以来12年が経過し、少しづつではありますが活動が認知されてきております。今後、更に活動を充実させ、会員が求める情報・資料の収集・提供をはじめ、セミナー・見学会等の開催に重点を置きたいと思っています。

 また、先にも述べました通り、団地型マンションでは、建物の経年化と共に、居住者が高齢化となっていますので、高齢者が安心して暮らすことのできる住まいを充実させることも多摩管連の課題と思っています。高齢者のケアや見守り等については、市や都の他関係団体との連携を図り進めたいと思っています。

 今後も、会員募集は続け、会の発展を図って行きますので皆様のご協力をお願いします。

                   令和4年9月20日
多摩マンション管理組合連絡会 会長  二宮 正行